むう母さんの 「ミョンドン街角抄話」

料理上手のむう父さんは、スーパーでのお買い物は得意。だが、所謂「ショッピング」はとんとご縁がない。
同行がK下さんでなけりゃ、早々に我らレディとは別行動だったかもしれないが、なんてったっておしゃれで買い物好きなK下さんだもの。
父が眼鏡を作っている間に,早速靴を買ってきたのを皮切りに、さまよい歩くこと何時間?
呆れてはいたが、イヤなカオひとつせず付き合ったのは、忍耐力のたまものと、日頃を知っている私は驚愕。

きっと一生分、ショッピングに時間を割いたに違いない。
 ところで、S柵母さんとつい夢中になってショップをのぞき込んでいると必ずス〜っと歩み寄ってくるオトコの影。
美女ふたりだもの、さもありなんって?
まあ、そうなんだけど、そうじゃなくって、むくつけきオトコふたりに声をかけているんだわ。
あんまり親しげだから、一瞬オトモダチかと思ったくらい。で、同行の私達に気がつくと離れていくの。

 こちらの人は、女性同士でも腕を組んだり手を繋いだりして歩いているので(さほど深い意味はないとみたが)、そういう方面のお誘いかと思ったらどうやら違うらしい。だってホラ、K下さんは「2丁目好み」だし…(空港でも隣にそっと寄り添われたんだそうだ)ちょっと目を離すと必ずや近寄る男達の影…買い手市場があるってことね。ああ、恥ずかしや。

 帰国前夜の明け方、天地を引き裂くように響き渡る雷鳴の音で目覚めた私。それも二度も。朝起きて3人に「すごかったね〜」と同意を求めたら,だ〜れも気付かなかった様子。繊細なのはわたしだけなんだわ。
これじゃ、K下さんとも同部屋で大丈夫なハズだわ。イビキに慣れたんじゃなくて、聞こえないのよ、きっと。
記:むう母さん